SRE兼スクラムマスターのブログ

チーム開発が好きなエンジニアブログです。検証した技術やチームの取り組みを書いていきます。

クラウドネイティブについて自分がやりたいこと

クラウドネイティブ」という言葉をよく聞くのですが、正直「クラウドネイティブってなんだよ?」という疑問があったり「エンジニアとしてどうするの?」など個人としては不透明な部分が多くモヤモヤしていました。

そこで先日、「Cloud Native Talk Night vol.2」に参加してきて貴重なお話が聞けたので整理がてらまとめていこうと思います。

Cloud Native Talk Nightとは?

クラウドネイティブ」というキーワードはエンタープライズの世界に広く浸透している中、そんな世界の最先端では何が起きていて、 どんな人が何を考えているのかについて、OSS界隈に精通したエンジニアをゲストに招きお話を聞く会でした。

参加パネリスト

合同会社DMM.com 松本 勇気 氏

株式会社レクター 広木 大地 氏

IBM Champion 羽山 祥樹 氏

itmait02.peatix.com

狭義のクラウドネイティブ

セッションでは狭義のクラウドネイティブについて簡単な説明がありました。

詳細についてはCNCF(Cloud Native Computing Foundation) が定義しているので、

そちらを参考にして頂ければと思います。

クラウドネイティブ技術は、パブリッククラウドプライベートクラウド、ハイブリッドクラウドなどの近代的でダイナミックな環境において、スケーラブルなアプリケーションを構築および実行するための能力を組織にもたらします。 このアプローチの代表例に、コンテナ、サービスメッシュ、マイクロサービス、イミュータブルインフラストラクチャ、および宣言型APIがあります。

これらの手法により、回復性、管理力、および可観測性のある疎結合システムが実現します。 これらを堅牢な自動化と組み合わせることで、エンジニアはインパクトのある変更を最小限の労力で頻繁かつ予測どおりに行うことができます。

Cloud Native Computing Foundationは、オープンソースでベンダー中立プロジェクトのエコシステムを育成・維持して、このパラダイムの採用を促進したいと考えてます。 私たちは最先端のパターンを民主化し、これらのイノベーションを誰もが利用できるようにします。

github.com

自分なりに要約すると、クラウド利用にあたっていくつかの代表的なアプローチがあり、それらを用いるとシステムに対する変更を安全かつ迅速に行うことが出来るようになりました。

CNCFではこれらの仕組みを民主化して誰もが利用できるようにしています。

クラウドを利用するにあたって、何から始めた方が良いのか? それはどのようなメリット/デメリットがあるのか?などに対して具体的な名称を述べているので エンジニアにはとっかかりやすい定義になっていると思います。

広義のクラウドネイティブ

このセッションでは、パネリストの方々が「広義のクラウドネイティブ」について、

どのように考えているかの話がありました。

皆さん、共通してエンジニアリングが事業やユーザーの価値に近づくという表現をされており 中でも私は広木 大地さんの「溶けること」というフレーズが印象に残っています。 これまで自分が認識していたクラウドネイティブはエンジニアのものであり、 ビジネス層などにはあまり関係のないものだと思っていました。

ですが、今回のセッションの中で事業やユーザーの価値に近づくにはスピードを出す必要があり そのためには、組織にクラウドネイティブ的な考えが浸透し、エンジニアに限らず誰もが利用できる環境を重要なのだと感じました。

そして、その考え方はリーンをはじめとする既に私たちが知っている概念やプラクティスであり クラウドが主流になる前からエンジニアをやっている立場としての気づきは「アジャイルな思想にエンジニアリングが追いついた」という印象です。

組織で自分がやっていきたいこと

今回の「Cloud Native Talk Night」する前と後で自分が学んだこととしては、

当たり前が常に変化していっているということです。これまで自分の当たり前はクラウドや技術のことは、エンジニアの守備範囲だと考えていましたが、 それではスピード感も出ませんし、組織が変化にも耐えられません。 その問題を解決するためにも、組織として距離を縮めていく必要があるのだと感じました。

現在はSREとしてシステムの信頼性をあげることをミッションとして進めていますが それだけでなく、組織間のサイロを取り壊すことと、組織全体にエンジニアリングの必要性を 広める役割をやりたいと思いました。